『暮しの手帖日記』 松浦弥太郎

編集部で一番若い部員が初めて記事を書いた話。

”彼女は自信のない表情で私のところに持ってきました。書き直しと言われて当たり前と思ったのでしょう。しかし、読んでみると、とてもいいのです。ほんとうにいいのです。たどたどしく、まだ下手かもしれませんが、心がこもっていて、思いやりもあり、なにより文章がとてもすなおなのです。ほとんど経験がなく、いわばなにもしらないがために、自分の言葉で一生懸命に、感動したこと、伝えたいことを、読者のみなさまと分かち合いたい、という気持ちにあふれていました。”
―――暮しの手帖日記(p105)